ケンカと仲直りのいい関係
カップルやご夫婦のカウンセリングをしていると、一度ケンカになってし
まうとお互い自分の立場を主張するばかりで、ちっとも話し合いが進まな
いというお話を聴く機会が結構あります。
相手が自分に対して怒りをぶつけてくる時というのは、受ける側にとって
は自分を否定される行為に感じられますから、心穏やかに耳を傾けるとい
うわけにはいかないものです。
私も皆さんにこのようなメルマガを発行したり、電話やオンラインでカウ
ンセリングをしている身なわけですが、カウンセラーとしてお話を伺って
いるときにちょっとした行き違いからひどく相手を怒らせてしまうことが
あります。 相談される方が普段非常に緊張を強いられる生活をされてい
るときなどに顕著になります。
それは、私が相手の気持ちを知りたくてした質問、たとえば「以前に浮気
されたときの気持ちはどうだったんですか?」というような場合です。
受け取り方によっては、相手は自分の浮気を責められたと思ってしまうわ
けです。 あるいはちょっとしたアドバイスをしたときに、それが相手に
とっては「自分の複雑で一瞬も気が抜けない生活環境」を全然考慮してく
れてないじゃないか!と感じられるときなどです。
そういうときに、その不満が怒りとなってカウンセラーにぶつけられるわ
けです。
以前の私は、こうした相談者の怒りにさらされると、即座に謝罪してカウ
ンセリングの中止・料金の返金などを申し出ていたわけです。
こうした怒りに対処する方法をよく知らなかったんですね。
ケンカを終結させる=土俵から降りることを選んでいたわけです。
でも、ある時期から、こうした怒りにさらされることが逆にチャンスだと
思うようになりました。
というのは、そのことによって私は自分の考えを開示する機会が得られる
からです。
浮気や不倫・不適切な言葉や行動といった事実ではなく、その時のその人
の気持ちを何よりも大切に思っていることや、そこに至った当人の気持ち
に共感し理解したいと思っていることなどを、相手に納得のいくまで説明
することができるからです。
カウンセリングの過程では、私はその言動のすべてに解説を加えたりはし
ません。それが心理療法の大切な課程である場合があるからです。
でも、こうした相談者のカウンセラーに対する怒りが表現されることによ
って、心理療法の過程としてではなく、人間として向き合う機会が得られ
るわけです。
私はそれをとてもありがたく感じているのです。
実際、こうした出来事のあとカウンセリングがとても協力的に進んでいく
ことも多いです。
ケンカによって恋人や夫婦の仲が一歩進んだものになることも決して少な
くはないと思います。
でももしも、ケンカした後に心が通じ合う経験がないという人は、以前の
私のようにそれをチャンスだと思っていないだけかもしれません。
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